上州の食文化を発信―宿場まんじゅう
餡づくりに始まり餡づくりに終わる、という“まんじゅう作り”。最終的なカギは“塩梅を図る”のたとえどおり、塩の使い方にかかってきます。
粉食文化が発展している上州
上州名物は「かかあ天下にからっ風」といわれてますが、意外なことに全国でも有数の粉食文化が歴史的に形造られてきたところでもあります。全国でも日照時間が長く、小麦栽培の適地であった上州は粉食文化が発展する条件に恵まれていました。
めん類でも、昔から「おそば」より「うどん」というのが定番で、地域により、「おっきりこみ」「ひもかわ」「すいとん」とさまざまな食べ方をします。
もう一つの粉食の代表といえば「まんじゅう」があり、その種類も豊富で「田舎饅頭」「酒まんじゅう」「焼きまんじゅう」「ふかしまんじゅう」など、もち類や団子は各地によりさまざまな食べ方がその土地に伝わっています。
日本五街道のひとつ中山道・安中の国道18号沿いには、知る人ぞ知る「宿場まんじゅう」“わらじ”さんがあります。
伝統の味を崩さずに安定した品質を
店主は小島和雄さん、奥さんの鈴代さんと二人三脚でまんじゅう作り24年の大ベテラン。「宿場まんじゅう」はタイプからいえば田舎饅頭に分類できます。
上州の山村では、昔から家庭で小麦粉を炭酸でふくらまし、小豆の餡を入れた饅頭です。昔はハレの食べ物として農家では七夕やお祭りに作って、いろいろなご馳走とともに食べていました。地粉でつくった饅頭はこくがあり、味も素朴で比較的濃い感じがします。
家庭で手作りする場合は饅頭の皮がムラで、餡の味が一定でなくても差し支えありませんが、売り物としては安定した品質でしかも伝統的な手法を崩さないで造ることに苦心したと言います。
そこで小島さんは、昔からの伝統的な味を保つため、餡の小豆は北海道産の十勝や虻田、DOKといった銘柄の小豆をブレンドし、問屋さんに年間安定供給契約をして、原料確保をしているといいます。
まんじゅうは、「餡づくりに始まり餡づくりに終わる」といわれるほど神経を使いますが、最初のあく抜きが肝心です。大きな釜にお湯をはり、20キロの小豆を入れて沸騰し過ぎると、ゆでこぼしたり皮にしわが入り過ぎてしまうので目が離せません。あく抜きを3回丁寧に繰り返しますが、これで次の段取りが決まって来るので気が抜けません。
キパワーソルトで味にメリハリがついた
次は餡づくりですが、もちろん甘味は砂糖で付けます。そして、「塩梅を図る」のたとえどおり塩の使い方が最終的な鍵を握っています。
熱く煮えてる餡をゆっくりかき混ぜながら味を決めて行きます。もちろん塩が効いてないと味がぼけるのでどんな塩を使うがポイントとなります。
キパワ−ソルトを使い始めてから違うことは、かえって甘味が引き立ち、味のメリハリがはっきりして来たことです。全体のバランスがとれて、とげとげしさがなくなり、まろやかになったことです。味をつけて炊きあげ、時間をかけて冷ますとやがて餡が固まってきます。
塩をキパワ−ソルトに切り換えた当初、お客様に黙って食べていただいたところ10人中、6〜7人の人が美味しくなったと答えました。
最後のふかしの工程は、時間、外気温、湿度により、こね方を軽くしたり、弱くしたり、毎日季節によって天気と相談しながらの長年の経験がものをいう工程です。
朝早くから仕込みが始まり、できあがると、お客様の出足も早く午後2時から3時くらいには「売り切れ蒙御免」の看板が出ます。
地元のみならず軽井沢族や口コミで聞いたお客様から遠く北海道九州、大阪、名古屋からも注文があり、もちろん東京のファンも大勢いらっしゃるとのことです。
これからも、お饅頭の美味しい食べ方をPRをしながら上州の食文化を発信し続けて行きたいと情熱を込めて、今日も饅頭造りに励んでいます。
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