味わい深い料理が楽しめる
月花(つきはな)
「月花(つきはな)」という名前の日本料理店と間違いそうな店構えであり、料理なのだが、フレンチと和風の創作料理といった感がある瀟洒(しょうしゃ)な店が桐生にある。
行き届いた感性の良さがこころよい
オーナーシェフは、村上元彦さん49歳。今から19年ほど前まで市内で「亜空間」というフランス料理のレストランを開いていたが、しばらくの充電期間をおいて昨年の晩秋から現在の「月花」を再開した。場所柄も公営団地の近くにあり、およそらしくない一角にたたずんでいる。
庭木の樹齢からいって相当な年数と、入念な設計と、手入れが感じられる庭の奥に、粋な作りの建物が建っている。
玄関を入ると8人くらいのカウンター席がある。和室のお座敷は10人ほど座れる和室があり、雪見障子を通して、日暮れ時には幽玄な感じの庭を眺め、食事を楽しむこともできる。中にはオーナーシェフの自宅裏山に咲く花や草木が所々に配してあるから、行き届いた感性の良さがこころよい。
塩が野菜の甘味を引き立てる
オードブルは、季節々々の野菜で彩られる。赤いトマトをはじめ、黄色いトマト、ズッキーニなど実は全て自家菜園で収穫されたものを大部分使用している。ときとして不足する野菜を赤城山麓のPSJ研究所・南雲成次さんのところから分けてもらうというが、実は自家菜園に使う堆肥もすべてPSJ研究所・南雲さんの堆肥を使って野菜づくりをしているというから、美味しいのもうなづける。何回行っても、使う野菜の組合せと盛りつけが違うのでお客さまは楽しくなる。
まぐろという日本的な素材を、マスタードパン粉焼として、独特のソースであしらった一品です。素材と料理法の組合せが創作的な思考を経て出来上がったと感じさせる一皿。決まりきった材料だけでなく、入手できた素材により、料理人のカンとセンスでメニューがその日に決められるという。
カボチャの冷製スープ。トロリとした舌触りの仲にカボチャの甘味が感じられるが、味付けは、キパワーソルトのプロ仕様、塩田結晶塩を使用しているという。塩が野菜の甘味を引き立て、野菜の旨味を引き出す一番はっきりわかるメニューではあります。ほとんどの料理には、キパワーソルトやプロ仕様の塩田の塩が使われている。塩の特徴をつかみ、たちまち自家薬籠中のものにしてしまった腕前は、流石と言える。
あまりフランス料理には使わない豚ヒレ肉のマスタード・ソース添え、野菜と椎茸の取り合わせも和食・中華の陰陽バランスがとれている。肉につきものの、ジャガイモをグラタンにして量もたっぷり組み合わせてあるから、肉の料理という気がしないヘルシーな感覚です。
美味しい本格的なおそば
充電期間中、腕に磨きをかけていたのが、「そば打ち」と「うどん打ち」。才のある人は、簡単に和洋両方とも身につけてしまい、現在群馬県内で800名の会員に「そば打ち」を教える教室を主宰している。それで、そば粉も最終的に選んだのが北海道・ホロカナイ産の最高に良い粉を使用している。さば節のしっかり効いた「そばつゆ」に本格的なおそばが美味しい。
デザートは、フランボワーズ風味のロールケーキ、小石を意味するガレが語源となっている焼き菓子ガレット、ピーチシャーベット、バニラムースの4点。真ん中に添えてあるのが自家菜園に植えてあるブラックベリー。ちょっと酸味のきいた味で、色もまわりのデザートを引き立てるポイントになっている。ゆったりした時間の流れと共に、味わい深い料理が楽しめる、知る人ぞ知るというお店です。
南雲成次さんについては「医食同源」ブログを御覧ください。
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